インクルージョン

query_builder 2024/10/29
ブログ

社会はマジョリティ中心にできている

「ずるい」「わがまま」「甘え」

「マイノリティの特権」ーーー

社会が非障害者を中心につくられているが故に生じているバリアを「社会的障壁」と呼ぶ。 社会モデルの考え方は、障害のある人のみでなく、様々なマイノリティ性に適用することができる。例えば、女性、性的マイノリティ、外国ルーツ、低所得者など。ここで言うマイノリティ性は数の多さではなく、社会の中でより抑圧を受けやすい社会的集団を指す。 逆に、マジョリティ性は社会の中でより権力のある社会的集団である。いまの社会は、男性、シスジェンダー、非障害者、などのマジョリティを中心に作られているが故に、マイノリティ性のある人にとって様々な社会的障壁が生じている。

【社会的障壁をなくす為の合理的配慮 】合理的配慮は、マジョリティ中心に物理的環境や制度、文化などが作られているが故に生じている社会的障壁をなくすためのものである。そのため、まずはその人にとっての社会的障壁がなにかを明らかにする必要がある。 社会的障壁を明らかにするためには、マジョリティ中心の環境や文化などがつくられているが故に、他の人には得られるけれど、その人は得られないものはなにか、制限されているものはなにか、を整理する必要がある。

もし特定の合理的配慮を提供することが過度な負担となる場合はその理由を伝えた上で、代替案を話し合う必要がある。

【「合理的配慮の提供」】とは、

「障害のある人から『社会の中にあるバリア(障壁)を取り除くために何らかの対応が必要』との意思が伝えられたときに、行政機関等や事業者が、負担が重すぎない範囲で必要かつ合理的な対応を行うこと(※注1)」である。 2016年に障害者差別解消法が施行されてから、行政機関には「合理的配慮の提供」が義務付けられてきたが、民間事業者は「努力義務」であった。それが改正法により、2024年4月から民間事業者にも合理的配慮の提供が義務付けられる。 ポイントは、合理的配慮を提供しないことは差別に当たる(※注2)ということである。 あなたが行政機関や民間機関で働いているのであれば、障害のある消費者や利用者、もしくは従業員から合理的配慮の意思表明があった場合、負担が重すぎない範囲で合理的配慮を提供する必要がある。 そして、あなたが生活したり働いたりする上で、あなたになにかしらのバリアがある場合、合理的配慮の提供について意思表明をする権利がある。

「合理的配慮」はすべての人に関わる概念である。 ラテラルでは、合理的配慮とはそもそもなにか、なぜ合理的配慮の提供が義務付けられているのか、合理的配慮はどのように進めたら良いのか、など理解を深めてみたい。

【周りが判断し、勝手に配慮をする】

のは「合理的配慮」ではない

周りがその人にとっての合理的配慮を判断し、勝手に配慮をするのは「合理的配慮」ではない。当事者との対話を通じて社会的障壁を明らかにし、どのような合理的配慮を提供するか合意形成をするプロセスも含めて「合理的配慮」なのである。

【合理的配慮が「ずるい」「わがまま」ではない理由】

言い換えるならば、他の人と同じスタートラインに立つために必要な措置が合理的配慮である。眼鏡がないと見えない人が眼鏡をかけるのはずるくもわがままでもないのと同じように、初めからそこにある格差を埋めるための工夫や措置はずるくもわがままでもない。

【まとめ】

「わがまま」になった方が、社会はよりインクルーシブで働きやすい環境になる

多様な人がいることを前提とした環境を作った上で、それでも困りごとが出てきた時には、困りごとを相談しやすい仕組みがあると良いであろう。 一人の困りごとを解決することは、多くの人の困りごとを解決することにもつながる。特にマイノリティ性のある人ほど、働く上での困りごとを相談することのハードル、合理的配慮の意思表明のハードルはとても高い。 もし働く上での困りごとを相談し、より働きやすい環境のために提案をすることが「わがまま」なのであれば、誰もが「わがまま」になったほうが、会社全体はよりインクルーシブで働きやすい環境になるのではないだろうか。

----------------------------------------------------------------------

ラテラル

住所:兵庫県宝塚市平井3-5-4

電話番号:070-1783-1902

----------------------------------------------------------------------